つなぎ融資とは?仕組み・金利・費用・流れをわかりやすく解説

- つなぎ融資とは、住宅ローン実行前の支払いを一時的に立て替える短期ローンのこと。
- 主に注文住宅で、土地代・着工金・中間金など完成前の支払いに使う。
- 住宅ローンが実行されたとき、つなぎ融資の元金を一括で精算する。
- 金利は住宅ローンより高く、事務手数料や印紙代などの諸費用もかかる。
- つなぎ融資の利息は原則として住宅ローン控除の対象外。
つなぎ融資 とはの結論

つなぎ融資は、住宅ローンが下りるまでの「支払いの穴」を埋めるための短期の借入です。
注文住宅では、土地の購入代金、工事の着工金、上棟時の中間金と、建物が完成する前にまとまった支払いが何度も発生します。一方で住宅ローンは、建物が完成して引き渡しを受けたタイミングでしか実行されないのが原則です。
このズレを埋めるのがつなぎ融資。私は地方銀行で法人融資を8年担当しましたが、個人の住宅資金でも理屈は同じで、要は「お金が必要な時期」と「お金が入る時期」の時間差を埋める仕組みです。
つなぎ融資とは
つなぎ融資とは、住宅ローンが実行される前に必要な支払いを立て替え、住宅ローン実行時に一括で精算する短期のローンです。

ポイントは2つ。「住宅ローン実行前に受ける」ことと、「住宅ローン実行時に精算する」ことです。返済を毎月コツコツ続ける普通のローンとは性格が違います。
たとえば土地を2,000万円で買い、建物の着工金・中間金で1,500万円が完成前に必要だとします。住宅ローンが下りるのは完成後。それまでの3,500万円をつなぎ融資で立て替え、住宅ローンが実行されたらまとめて返す、という流れです。
正直に言うと、これは「借金を借金で返す」形に見えて不安になる人が多い。でも仕組み自体は単純で、最終的に住宅ローン1本に置き換わるだけです。
Webから来店予約が可能です!
つなぎ融資は金融機関ごとに条件が大きく違うため、契約前の個別相談はほぼ必須です。
私が現場で見てきた限り、つなぎ融資は商品パンフレットだけでは判断しきれません。回数の上限、1回あたりの実行可能額、利息の払い方など、担当者に確認しないと分からない部分が多いからです。
多くの金融機関がWebからの来店予約に対応しています。土地の契約や着工のスケジュールが決まったら、早めに枠だけでも相談しておくと後がラクです。ここは段取りがすべて、と言ってもいいくらい。
つなぎ融資が必要な時

つなぎ融資が必要になるのは、住宅ローン実行より前にまとまった支払いが発生するケースです。
代表例は次の3つ。実務でよく相談を受けるのもこのパターンに集中します。
| 場面 | なぜ必要か |
|---|---|
| 注文住宅を建てる | 土地代・着工金・中間金など、完成前の支払いが複数回ある |
| 中古物件をリノベーションする | 物件購入とは別に、工事費の前払いが発生することがある |
| 住宅ローン契約が間に合わない | 引き渡しに本審査や契約手続きが間に合わず、一時的な資金が要る |
逆に、すでに完成している建売住宅や中古マンションを買うだけなら、つなぎ融資は基本的に不要です。住宅ローンの実行と支払いのタイミングがほぼ一致するからです。
つなぎ融資には「自己資金を用意しなくても支払いを進められる」「現住居を売る前に次の家を買える」というメリットがあります。一方で金利が高い、手数料がかかる、控除が効かない、扱っていない金融機関もある、というデメリットがある。私の感覚では、メリットより金利と諸費用のデメリットの方が体感は大きいです。
つなぎ融資の流れ
つなぎ融資は「住宅ローンの本審査と並行して申し込み、必要な時期に分割で実行し、住宅ローン実行時に一括精算する」という流れで進みます。

- 住宅ローンの本審査と合わせて、つなぎ融資を申し込む。
- 土地の決済時につなぎ融資の1回目を実行する。
- 着工金・中間金などのタイミングで、必要額を追加で実行する。
- 建物が完成・引き渡しになり、住宅ローンが実行される。
- 住宅ローンの資金で、つなぎ融資の元金を一括返済する。
つまずきやすいのは2回目以降の実行です。実行のたびに金融機関への連絡や書類が必要なことが多く、支払期日ギリギリに動くと間に合わないことがある。私は「支払日の2週間前には動く」を口酸っぱく伝えています。
つなぎ融資の諸費用
つなぎ融資には、利息のほかに事務手数料・印紙代・振込手数料などの諸費用がかかります。
住宅ローンと別に発生する費用なので、見落とすと資金計画が狂います。具体的な金額は金融機関ごとに異なるため、ここは商品概要書や見積もりで必ず数字を確認してください。
| 費用項目 | 内容 |
|---|---|
| 利息 | 借入額・日数・金利に応じて発生 |
| 事務手数料 | つなぎ融資の実行に伴う手数料 |
| 印紙代 | 金銭消費貸借契約書に貼る収入印紙 |
| 振込手数料 | 実行のつど振込にかかる費用 |
つなぎ融資の期間や金利

つなぎ融資の金利は住宅ローンより高めに設定されており、期間は土地決済から住宅ローン実行までの数か月が一般的です。
なぜ高いか。担保や保証の枠組みが住宅ローンほど整っていない短期の貸付で、金融機関のリスクが相対的に高いからです。具体的な金利・期間は金融機関ごとに違うため、断定はしません。確かな数字は契約先の商品概要書で確認してください。
利息の払い方は主に3パターンあります。どれを選ぶかで手元資金の負担感がかなり変わる。
| 方法 | 特徴 |
|---|---|
| 借入時に全額を前払い | 実行時にまとめて利息を払う。後の負担は軽いが初期にお金が要る |
| 元金の完済時に一括 | 住宅ローン実行時に元金とまとめて利息を精算する |
| 毎月利息のみを支払う | 完成までの間、利息だけを毎月払い、元金は最後に精算する |
私が相談者に勧めることが多いのは「毎月利息のみ」型です。負担が平準化されて家計の見通しが立てやすいから。ただし金融機関によって選べる方式が決まっているので、希望が通るとは限りません。
つなぎ融資シミュレーション
つなぎ融資の利息は「借入額 × 金利 ÷ 365 × 借入日数」で日割り計算するのが基本です。

考え方を具体例で見てみます。ここで使う金利や日数はあくまで計算の手順を示すための仮の数字で、実際の金利は契約先で確認してください。
仮に、つなぎ融資2,000万円を120日間借り、金利が年3%だったとします。利息は 2,000万円 × 0.03 ÷ 365 × 120 = 約19万7,000円。あくまで仮の前提での試算です。
ここで言いたいのは金額そのものではなく、「借入額が大きく、期間が長いほど利息は素直に膨らむ」という点。完成までの期間が延びると利息も増えるので、スケジュール管理がそのまま費用管理になります。
資料請求・お問い合わせ
つなぎ融資を検討するなら、住宅ローンの相談と同時に、つなぎ融資の取り扱い有無を最初に確認するのが近道です。
金融機関によってはつなぎ融資そのものを扱っていません。住宅ローンを決めてから「つなぎがない」と気づくと、土地の決済に間に合わなくなる。だから順番が大事です。
資料請求や問い合わせの段階で聞くべきは、取り扱いの有無・実行回数の上限・利息の払い方・諸費用の目安。この4点を最初に潰しておけば、後の手戻りがほぼなくなります。
つなぎ融資の わかりやすい仕組み

つなぎ融資の仕組みは「完成前の支払いを立て替え、最後に住宅ローン1本へ置き換える」と理解すれば十分です。
つなぎ融資以外の選択肢として、住宅ローンの「分割実行」があります。これはつなぎ融資とよく混同されますが、別物です。
| 項目 | 分割実行 | つなぎ融資 |
|---|---|---|
| 正体 | 住宅ローン本体を複数回に分けて実行 | 住宅ローンとは別の短期ローン |
| 金利 | 住宅ローンの金利 | 住宅ローンより高め |
| 控除 | 住宅ローン控除の対象になりうる | 利息は原則対象外 |
| 取扱い | 対応する金融機関は限られる | 対応する金融機関は限られる |
正直に言えば、控除や金利の面では分割実行のほうが有利なことが多い。ただし扱っている金融機関が限られるので、選びたくても選べないのが現実です。私なら、まず分割実行が使えるか確認し、無ければつなぎ融資、という順で検討します。
りそなはつなぎ融資に 対応しています
りそな銀行は、住宅ローンに関連する各種商品を提供している金融機関の一つです。

金融機関ごとに、つなぎ融資の有無・条件・金利は異なります。最新かつ正確な内容は公式サイトで確認するのが確実です。私が現場で痛感したのは、商品の条件は改定されるので、人づての情報をうのみにしないこと。
よくある質問
つなぎ融資について、相談現場でよく聞かれる質問をまとめました。
よくある質問
最後にひとつ。つなぎ融資は「使うかどうか」より「いつ何にいくら払うか」を先に書き出すのが第一歩です。支払いのスケジュール表を一枚作るだけで、必要な借入額も利息もぐっと見通せます。
